「あながち嘘でもないんだよ、それ」とぼくが言うと彼女は必ず「あながち、って何だよ」と笑いながら聞き返すのだ。夏の日差しが窓とカーテンに折り畳まれて薄い光の線になり、それに晒された机は光線が通り過ぎた部分だけ焼けてしまっている。窓際に置かれてしまったゆえに、自分では動けない机は寿命を磨り減らす責め苦に耐えなければならないのだ。