ショーペンハウアー読本

・1788 - 1860 時代背景、同時代の思想的潮流、いかにして黙殺されいかにして再発見されたのか?

・超越論哲学者としてのSchopenhauer Kantの後継者としての彼自身の自負と、Schopenhauer理解との食い違いの問題は解消されているのか?
→ 要検討、先行研究論文見に行くべし

・若い頃のSは有限的存在者としての人間を痛烈に意識していた。ゆえに、「あらゆる瞬間において生かし続ける永遠の真理」すなわち、西洋思想史において「神」として描出されてきたものの実体的存在に対し、大いに関心を抱いていたらしい。→カントやフィヒテの哲学を通した後はそれらの存在者の否定へ傾いていく。ex)シェリング弁神論との対決 要は弁神論は実体的存在の独断的措定にあたるということか? 要検討
「端的に存在していると考えられるあらゆるものは、それを知覚する知性がなければ、すなわちこの客観界にとっての主観がなければ、存在していると考えることはできない。というのは(……)存在するということは、主観にとっての客観であること、客観にとっての主観であることに過ぎないからである」(研究ノート)
 *1「根拠」の成立直前においてこうした立場が表明され、また「根拠」P.23〜の記述に至る。
 ∴実体的存在の独断的措定を排除する立場となる +「表象は主観と客観の相互依存性である」という形で表象論が萌芽する。 → 現象学との類似点は? 主・客の問題に対しある種の解答を与えんとした立場において通ずるものがあるように見えなくもないが、実際はいかようなものか? 要検討

・表象としての世界(表象論) 全体表象ともう一つの表象の相互依存による表象一元論的世界観 →「根拠」の十九・二十節
経験内容 = 「悟性が時間と空間という異質な感性の形式を結合し協働させることによって」成立する。 → Verstandの領域であるかどうか? 原典確認
こうしたありようの表象 = 全体表象 (外的な表象を含む)
時間が流れても実体(物質)が持続する / 空間が不動でも実体の状態が変化する

経験内容 = 「主観は内官の形式である時間だけに従っている」個々の表象
こうしたありようの表象 = 全体表象とは区別されるもう一つの表象 「根拠」P.31
↑は主観において残存する全体表象に組み込まれ、経験内容の統一性が保証される

「表象現実態」としての全体表象 「表象可能態」としてのもう一つの表象 = これら二つの表象の相互依存
∴意識を超越して自存する実体的対象(あるいはそうした意味におけるding ansich)を前提せず、表象一元論から経験内容の様態を描出した

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先天的な時間空間、ないしは「存在(essendi)の根拠(充足理由律)」
原因と結果の法則、あるいは「生成(fiendi)の根拠」
概念論理的判断、ないしは「認識(cognoscendi)の根拠」
行為の動機づけの法則、ないしは「行為(agendi)の根拠」

            • from WIKI → 要確認

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Die Welt als Wille und Vorstellung
できるだけ読むおー

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生きようとする意志は、おのれを自由に肯定し、あるいは自由に否定するといわれる。第三部までに考察されてきたような、意志が肯定された場合においては、この世界で「ある」ものが生ずる。これに対し、意志が否定された場合における、この世界で「ない」ものについては、最終的には哲学者は沈黙する他ないものといわれている。
抽象的知性は格律を与えることによって、その人間の行為を首尾一貫させるものではあっても、首尾一貫した悪人も存在しうるのであり、あくまでも意志の転換を成し遂げるのは、「汝はそれなり」という直覚的な知のみであるといわれる。この知に達して、マーヤーのヴェールを切断して、自他の区別(個体化の原理)を捨てた者は、同情(Mitleid)ないし同苦の段階に達する。このとき自由なもの(物自体)としての意志は自発的に 再生を絶つのであり、ショーペンハウアーの聖者は、利己心・種族繁殖の否定に徹し、清貧・純潔・粗食に甘んじ、個体の死とともに解脱するとされている。

ヴィトゲンシュタインが影響くらったーとか言ってるのは有名だし、意志の否定を肯定にひっくり返して超人の思想まで持ってったのはニーチェだし。影響関係についてrefer
Mitleidの倫理学はすなわち意志としての世界において意志≒意欲を否定すること。Willeにおいて意志・意欲は厳密に区別されていない
∴Willeは生への意志であり欲望であり、つまり性への意志も含まれる
Mitleidは「歯痛の例え」を越えて・自他の区別を越えていく射程を持つのか? →持つんだったらやべえ。恒久平和のためにってレベルじゃねーぞ

*1:法政大学出版局ショーペンハウアー哲学の再構築」所収 「充足根拠律の四方向に分岐した根について」(第一版)訳解