DTM入門日記

実は最近DTMに目覚めた俺であった。
あまりにもDAWをいぢるのが楽しくて勉強なんてやってらんないくらいにハマってしまったのであった。

揃えてみたのは以下。
Hp pavilion Entertainment PC = core2duoの2Ghz/メモリはDDR2の2GB/HDDは160GB/Geforce7600/windowsVista(笑)
お父様のお古。デスクトップが欲しかったのにノートがきてしまう皮肉。でも必要十分くらいのスペックでびっくりであった。

Audio I/F = M-AUDIO Firewire410
コレ高かった。

マイクはShureSM58ギターアンプは以前から使ってるVOXのCambridge(15W, 12AX7プリ搭載のsolidstate)のラインアウト端子を使ってライン録り、ベースはALBITのA1BPでライン録り。
MIDIキーボードは最近見かけなくなってきたKORGのK-25。
DAWはLive7。買った当時は6だったのに、すぐに7がリリースされてイラっとしたらアップグレードサービスが来てた。実にありがたし。

PCがあるだけで音だし→録音→編集→ミキシング・マスタリングまで全部完結してできるなんて驚きの時代だ。
とりあえずアンドゥ・リドゥもできるしクリックも使えちゃうので、アイデア作りも楽しい。
音楽はじめてみたいと思う人には是非お勧めしたい道である。機材だって安くあげようとおもえばなんとでもなる。Line6のToneportUXなんかはギタリストに最適+Liveliteとかいう使い勝手の良いDAWがバンドルされてくるから¥12800で完結なわけであったり。

とりあえず現状は何ができて何ができないのかをDAWいぢり・VST使いながら見極めようとしているところなのだけれど、正直なんでもできすぎて怖い。ハードウェアのエフェクターでコンプあたり買い足そうと思っていたのだけれど、多分機能的には全部Live6にバンドルされてたっぽい。恐ろしい時代である。恐ろしい時代である。

とりあえずDTMをはじめた結果、楽器観や音楽観がはっきりした。
「音楽を作る上で、楽器はあくまで鈍器だ」というここ最近の俺の考え方は多分より強固になった。

例えば、ギタリストとしてミクロな視線をどこまでも持とうとしてみよう。
ギターの音を録るならば、ストラトキャスターも必要だしテレキャスターも必要だしレスポールも必要ならSGも必要、さらにIbanezのテクニカル系のギターも必要!! なんて思えてきてしまうのがギターのみ弾いている人間の視線だと思う。
確かにそれぞれのモデルが得意とする音はあるし、ギター単体で聴くならばその音の差は極めて顕著だ。けれどもひとたび「曲」という音のまとまりを作る段階に入ると、大体「楽曲のアレンジに使いやすいエレキギターの音」なんてものは決まり切ってくる。
具体的には、リアのハムで出したハイパワーで少しトレブルにエッジの効いたオーバードライヴディストーションのトーン。フロントとミドルのシングルコイルを利用したハーフトーンのクリーン。大体の原型はこの二つの音色にある。細かく考えれば、フロントとリアのハムをミックスしたサウンド(ジャズやブルーズに使うことありそう……つーかトーン絞ればWoman toneのセッティングやんww)や、フロントとリアのシングルコイルのミックスサウンドテレキャスの音っつーかムスタングの音っつーか。オルタナに使いやすい)、ヴィンテージテレキャスのようなフロントをさらにトレブルカットしたサウンド(カントリー以外に使い道あんの?)などそれぞれの機材・セッティングには特徴的なサウンドがある。しかし、曲作りの段階ではここまで細かいこだわりはもう要らない。上述したような「細かい」サウンドに類似した音作りは、実は簡単に実現できてしまう。フロント=シングル・ミドル=シングル・リア=ハムの構造を持つギターと、ある程度イコライザーの効きが良いアンプさえあれば、「使える」ギターの音は全て作れてしまうのだ。

ベースもそうだ。
プレベジャズベ、スティングレイ、リッケンバッカー。それぞれ異なるサウンドキャラクターを持っている。指で弾いたりピックで弾いたり、パッシブ回路の音を採用したり、アクティブ回路で音を大胆に作ったりするわけだ。それでも、イコライジングで大体のレコーディングに必要な音作りは可能だ。正直どれを弾いても良い。実際問題ベースそのものはフレット音痴ではなく・演奏しやすいものであれば、あとはアンプの性能に委せてしまえば良いのだ。それで完璧な音は出せる。

そう、過度に高い機材は必要ない。楽器の個体差に拘る必要もない。また、細かい仕様の差に注目しすぎる必要もない。要はギターがギターの役割を、ベースがベースの役割を果たせるその程度のものでさえあればそれでいいのだ。

ドラムスにしても、バス・スネア・タムの口径やシンバルの数・種類を揃えたくなるかもしれないし、スティックの材質による音の違いなどに拘りたくなるかもしれない。だが、曲という枠組みを構成することを第一目標に置いて音楽活動を行う以上は、必要最低限のセット、すなわちバス・スネア・ローミッドハイ三つのタム・ハイハット・ライドシンバル・クラッシュシンバルがあれば他は何も要らないのだ。あとはロックにおいて飛び道具として使いやすいのはタンバリン・チャイナシンバルなどだ。曲に必要ならば導入していくことになるだろう。

楽器を演奏する人間は、ともすれば「演奏」だけに心を砕きすぎて楽曲をないがしろにしてしまう場合がある。とくに自分はその傾向が強いので自戒したい。機材に拘るのも良いことかもしれないが、実は機材の良し悪しなんてわからないのだ。そんな微細な差を追求する暇があったら楽曲を聴く耳を育てていかなければならない。

ギターを多く揃えていく・ベースを多く揃えていく・ドラムを多く揃えていく方向性では、音楽性は実は育たない。ハードウェアは一つあれば格段にできることが増えるが、同じハードがもう一つ増えても、新たに可能になることはほとんどない。ストラトレスポールのコレクションが加わっても、ギターの音色の幅が本当に少しだけ加わるに過ぎない。シンバルが増えてもそうだ。
むしろギターとベースとドラムスそれぞれに通じていくことで、楽曲を聴く耳が育っていくのではないだろうか。